【追記】一部ミスのある表現や日本語のおかしい部分を修正したつもりです。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の追加コンテンツ第5弾として『ファイアーエムブレム 風花雪月』より、「ベレト/ベレス」の参戦が決定しました。
しかし、今現在配信内容にいくつかの疑念を抱く人も多数。その気持ちはとても分かります。なので、改めて自分の中で整理していきたいと思います。
概ねの内容
- 配信は1月29日
- 映像の収録は11月
- 『FE風花雪月』よりベレト、ベレスが参戦
- ファイターパス第2弾の追加ファイターは6体
こんな感じですかね。
不満に挙がる声
- 剣士が多すぎる
- FEからの参戦は8人目
- レックスが無理だったのに何故ベレトスが可能なのか
といったところでしょうか。
まず初めに「剣士が多すぎる」という点。
『SP』においてはリンク、こどもリンク、トゥーンリンク、マルス、ルキナ、ロイ、クロム、アイク、ルフレ、カムイ、シュルク、クラウド、勇者といった辺りですね。人によってはピットやブラピも入るかもしれない。
今挙げただけで13人いますが、うち7体が『FE』のキャラクターなんですね。ここにベレトスを加えると8体。現在のファイター数は80とのことですから、実に全体の10%が『FE』のキャラかつ内訳は全員剣士。これはどちらの批判が来てもおかしくない。
しかしながら『ドラクエ』『FF』などなど、日本のファンタジックなゲームはそもそも剣と魔法を扱うことが多いわけです。となると、やはり『FE』であることが問題ではないでしょうか。
『FEが多い』点については、ファンである自分も同意します。人数だけで見れば『マリオ』『ポケモン』に並ぶほどだし。
確かに近年の『FE』の盛り上がりは目を見張るものがあり、またスマホアプリ展開では随一の利益を叩き出していますが、アレは要するにガチャマネーなので、他の任天堂アプリと比較するには些か不平等かと思います。
となると、単純にシリーズとして見た際に『マリオ』『ポケモン』と並び立ち、あまつさえ『ゼルダ』を越えられるほどの人気があるか? と聞かれると、自分は全くそんなことは無いと言い切れます。だいいち、スマブラでFEを知る人間が多い時点で知名度はたかが知れている。
「『風花雪月』が売れたから!」という論説もありますね。確かに風花雪月はシリーズでもトップの売上を記録し、名実ともに人気作。少し前にはThe Game Awardのストラテジーゲーム部門で受賞するなどの功績があります。
しかし、これは「ファイターパス」の追加コンテンツ。ファイターパスの発売が発表されたのは2018年11月。(この時点で内訳は決まっています)
世の中に『FE風花雪月』が知れ渡ったのは速くてタイトルの発表があった同年6月のE3です。増して、発売は2019年7月にズレ込んでいますから、売上や人気を理由に参戦できたとは到底言い難いです。
つまり、任天堂は『風花雪月』の実際の評判はともかくとして参戦することを提案したことになります。そして桜井氏も、それを了承したわけですね。(この辺りは「発売前の開発ロムを借りて研究させて頂いた」という旨の発言がありました)
その裏で、「選定に間に合わなかった」と述べられ追加ファイターにならなかったキャラクターがいます。『ゼノブレイド2』レックスです。
ざっくり経緯を説明すると、ゼノブレイド2はFE風花雪月より圧倒的に早く発売されています。
ゼノブレイド2…2017年12月1日発売
FE風花雪月…2019年7月26日発売
しかしながらDLC発表時に「間に合わなかった」とされファンも受け入れた。それでいてベレトスの参戦が発表されたので、疑問に思う方も多いと思われます。
念のため書いておくと、風花雪月は発売を延期しています。初めは2018年内に発売予定でした。
さらに言えば、発表そのものは近い時期です。『ゼノブレイド2』は2017年1月、「Nintendo Switch Presentation 2017」で初公開。一方の『FE』は「FIRE EMBLEM Direct 2017.1.19」で「Switch向け完全新作を開発中」とだけ言及されています。
少し話が逸れますが、他のDLCファイターも見てみましょう。
ペルソナ5…2016年9月15日発売
ドラクエ11…2017年7月29日発売
バンカズ、餓狼伝説については説明はいらないですかね。これだけ見ると「ドラクエもかなり後に発売されてるのでは?」と思いがちですが、恐らく参戦候補には『ドラクエの誰か』とだけ挙げられていた可能性が高いです。
後に『DQ11 S』の発売が決まったため、後付け気味に11主人公を導入したという線もあるかと。
以上のことを考えて、「任天堂側から提示されたDLC候補リストにゼノブレイド2が無かった」可能性が考えられます。
では、そもそもこの選定はいつ行われたのか? これを追及していくとまた妙なことが起きています。
『桜井政博のゲームについて思うこと 2015-2019』より要約。
- 2018年1月に、DLC及びシーズンパス商法に関するコラムを書いた。
- 担当編集が書籍化にあたって桜井氏から当時を振り返ってのコメントを要求し、『スマブラSP』におけるシーズンパスの話題を出した。
- 桜井氏は「この時はDLCの話は無かった」「そういった企画は開発側の意思とは関係無く始まるもの」と述べた。
1月のコラムですから、原稿の締切を鑑みて概ね11〜12月に書かれたものと推測できます。となると、2017年時点でファイターパスの話は無かったことに。
2018年11月にはファイターパスの発売が決定、内訳も確定済みというのは書いた通り……となると、2017年12月に発売されたゼノブレイド2がDLCからも選定漏れする理由は? と……。
自分が提示できるのはここまで。皆さんがどう思われるかはお任せしますが、仮にファイターパス第2弾でレックスが参戦したとして、それはそれとしてなぜ『風花雪月』が2018年内に参戦が決まったのかという疑念は残るかと思います。
以下は自分のひたすらな感情です。
ベレトスの参戦そのものは異論無し。知名度や真新しさで言えば間違いなく候補に挙がるキャラ。
でも脳裏を過るのは『for』でカムイが参戦した際の当時の空気。当時も「またFEか」という声があり、「覚醒ifは売れたから……」という何ともな言い訳がユーザーから広まっていました。(桜井氏自身は「海外ではifはこれから発売されるソフトで、『DX』でロイが先行して登場したのに倣った」としています)
後にインタビューで「FE枠が多すぎますよね!笑」としつつ、「戦略的に決められたこと」と流しています。
そして今回は知っての通り全員参戦ですから、FE枠は初めから膨れ上がった状態。『for』で散々いじった贖罪としてクロムの参戦があり、これを最後に問題は収束か……と純粋に楽しんでいた頃に、今回の参戦が舞い込んできました。
「中身は明かさないまま発売。納得できる方だけどうぞ」と言いつつも、ジョーカーやバンジョー&カズーイなどのサプライズが相次いで。
テリー参戦の際には「ちびっ子は餓狼伝説を知らないかもだけど、知名度よりは動かしての面白さを優先したい」とまで言いました。
それが今回は「自分の予想と違うキャラが来ても恨みっこ無しで」と、なぜか予防線を張るようなセリフがありました。擁護の声にもこの言葉を引用される方は多くいますが、forカムイの時に「FEが多い」という自覚があった上で、後の作品でわざわざ予防線張ってまでなおFEを出そうとするか????????
昨年にファイターパス第2弾が発表されたものの、今回6体制作することが知らされました。「1体増えてる!」と嘆いていましたが、ベレトス及びFEへの批判が殺到するのを覚悟の上でそれでも追加して、そのぶん1枠ファイターを増やすことで差し引きで誤魔化そうとしているように見えるのは自分だけでしょうか。
自分はFEシリーズはスマブラから知り、『新・暗黒竜』から入り、なんだかんだ10年ぐらいは遊び続けているはずです。バーチャルコンソールで過去作にも触れ、ポケモンに並ぶぐらい好きなゲームシリーズです。
だからこそ、いらんことで批判を買うような動きはやめてほしい。まして、それにディレクターの贔屓や制作会社のゴリ押しが関わっているのであるならば、むしろこの先シリーズは衰退していってほしいとさえ思いますよ。