Saltの思うこと

思ったことを書いていけたらいいなあ

パフォーマの輝きに包まれて

幻影異聞録♯FE Encore』をクリアしました! 難易度はノーマル。プレイ時間は40時間弱となりました。

久々にガッツリしたRPGを遊びました。(ポケモンポケモンというジャンルなので)

以下、感想垂れ流し。

 

初めに

まずこの『幻影異聞録』は、2015年にWii Uで発売されていたソフトです。当時を振り返ってもイロモノ扱いだった気がして、自分もWii Uは持っていたものの遊んでおらず、数年経ってファンの声を聞いて「ぜひSwitchへ移植して遊ぶ機会を頂きたい」と思っていました。

それが叶った時点で、ある意味本作はすでに完成されたものだったと言えるかもしれません。

シナリオ

ざっくり言うと、『P4』または『P5』のシナリオの節々にFE要素を混ぜ、舞台を芸能界に置いた……といった感じ。肝心のペルソナシリーズはほとんど遊んでいないのですがアニメを見ていたので、悪いミラージュに取り憑かれた人々を解放する流れは「あぁ、アトラスらしいなぁ」と不思議なデジャヴを感じていました。

それだけでなく、後半にかけて着々とFE要素が強くなっていくのも良かったです。ただ一方で深刻な状況なのにどこかあっけらかんというか、一度拠点へ戻って作戦を練る余裕があるんだな? とは思ったり。

システム

本作の最大の特徴とも言えるバトルシステム「セッション」ですが、これは本当に尻上がりに面白くなるシステムだと思います。

敵の弱点を突くと味方が追撃してくれるというシステムですが、序盤はそもそもスキルが整わず、個人個人の技量によって戦う場面が多いはず。それが仲間が増え、スキルを覚えていくと2人、3人、4人……最終的には何十回も連続攻撃を行うようになり、どこか「FE覚醒」のテーマを感じさせるような連携ぶりに変貌。

それでいて敵は複数体で襲いかかってくる上、敵もセッションを行うので誰から倒せば最も被害を抑えられるか? というシミュレーション要素もこっそり入っているのが戦略性の高さに繋がっていますね。弱点を攻撃できない場合でも、控えへの交代にデメリットが無いのも遊びやすさ重視でしょうか。

キャラクター

人間キャラはもとより、ミラージュは『暗黒竜』『覚醒』の2作品から多く選出されていますね。意外だったのが『覚醒』を出典とするミラージュは仲間の数人と多くはボスキャラであり、ゲストキャラのほとんどは『暗黒竜』出典。メタ的な事情を言えば、『覚醒』キャラは声優が既に決まっているため収録の関係で呼べなかったのかもしれません。しかし結果として『暗黒竜』キャラの多くに新たにCVが付くこととなり、それが『FEH』へ輸入されて……と上手く転がった感じですね。そのゲストキャラにも「お前が出てくんの!?」という印象を持つ意外な人たちがいるので、アカネイアファンには触れてほしいです。

音楽

avex制作による歌唱楽曲はどれも素晴らしいですね。先んじて『FEH』のかんたんタップバトルで聴いていたのですが、何度聴いても飽きない良曲揃い。

ゲーム中では専用のアニメーションモデルなどを用いた豪華なPVも作られており、制作に向けた情熱がそのまま伝わってきます。自分が好きなのは『ドリーム☆キャッチャー』と『光の戯曲 ファイアーエムブレムです。

ゲームバランス

先ほど書いた通り、バトルの塩梅はとても絶妙。敵の一人一人がなかなかにタフなぶん、しっかりレベルを上げて武器を強化しないと追いつけないかも。

一方で、ボスの多くは連続行動をしたり、また全キャラにほぼ共通でデバフ耐性が無いので非常に強力だったりと、(恐らく)意図的に用意された強み・弱みがかなり極端にバランスに影響している印象。

中盤ごろに「敵の攻撃力、命中率、回避率を下げる」スキルが手に入るのですが、どう考えても強すぎますね。言うなれば「敵が理不尽を押し付けてくるので自分も理不尽で押し返すゲーム」。トラキアかな?

細かいところ

ファンサービスがすごいですよね。イツキの「いかずちよ!」とか、ヤシロの「俺が戦局を変える!」とか。またザン系(衝撃属性に分類され、FE的にはウインドなど風魔法が該当)が飛行ユニットの弱点を突けたりなど、FEをやっているとニヤリとするネタが満載。「ガーデニング手斧」とかも。

気になったところ、不満点

まずメインの探索地であるイドラスフィアと強化を行う場所であるブルームパレスの移動がなかなかに面倒。新しいマップで初めて出会う敵と戦い、見たことのない素材を手に入れると大体ブルームパレスに戻ることになるので、人によるけれどプレイ時間は嵩みがち。

また、FE的に重要な3すくみの弱点を突くのに、斧担当が1人しかいないにも関わらず剣と槍は2人ずついる、とか。キリアが物理で殴るのに向かないので控えに回りがちとか。エリーの持つ弓はなぜか色んな敵の弱点を突けるので便利だったりとか。重箱の隅をつつくみたいで悪いですが。

それ以外だと、サブクエストの進行状況が非常に分かりづらい。またヒントもほとんど出ないので、勘が鈍かったり知識不足だと苦労します。

まとめ

総評としては、とても楽しい時間を過ごせたと思います。登場人物はみんな前向きだし、ストーリー展開も王道ながら熱い物語だし、なによりゲーム部分が面白い。遊びやすさの追求に情熱を捧げたんでしょうね。それがユーザーの手に渡ってしっかり伝わるのはいいことだと思います。

そして本作のスペシャルサンクスは誰よりも、Wii U版をプレイし、移植が叶うまで妄言のように垂れ流し続けた皆さん。本当におめでとうございました。そして、こんな素敵な作品に引き合わせてくれてありがとう!