Saltの思うこと

思ったことを書いていけたらいいなあ

2020春アニメ感想

今期も粒揃いといった具合でしたが、かの憎きなんとかウイルスとかいう最低クソカス意味不明野郎が好き放題やってくれやがったおかげで、いくつかのタイトルは放送延期を余儀なくされました。

今回は無事に放送し切った作品のみ感想を書くものとし、延期されたタイトルは見ていた証明として、最後に列挙したいと思います。(いずれ放送が終わればその時は感想も書くつもりです)

球詠

今期のきらら枠。フォワードからはお久しぶりですね。そして野球アニメです。野球といえば昨年の『ハチナイ』が思い起こされますが、それに負けず劣らずの出来です。(皮肉じゃないですよ?)とはいえやっぱり目慣れはするもので、中盤以降は普通にシナリオを楽しむことができました。

やっぱり野球、引いてはスポーツものは試合の駆け引きが常に存在するのでアニメ脚本との相性も良いですね。特に予選が始まってからは実際の試合さながらのシチュエーションや戦術で、手に汗握る展開続き。

惜しい点というか、本来まだ続くからこそ描かれていなかった部分としては各キャラの深掘りでしょうか。あんまりザクザク掘り進めるのも問題ですけど、スポットは詠や希に集中していましたね。とはいえ試合として映える部分を担当している人なので、全然いいですけど。

ところで、来期はハチナイの再放送がありますね。もう無限ループでいいんじゃないか?

かくしごと

久米田先生原作を見るのは『じょしらく』ぶりかな。終始コメディに徹した楽しい作品でした。ネタの一つとして勘違いパターンを多用していますが、放送中にあのコンビの片割れが捕まっちまったのは幸か不幸か。

それと終盤というか最終回の予告、ダブルミーニングだと思われてたタイトルが実はトリプルミーニングだったというのは驚きました。ついでに主人公のフルネームにかかっているのにようやく気づいた。アホなので名前だけだと思ってたら名字もそうだった。

ノルマとしてあった姫が成長した未来(というか現在)時間の描写が、ろくでもないギャグばかりの本編を上手い具合に良い話風にしてエモく昇華していたのはズルい構成だなぁと思います。放送中はちょっぴり謎を残していく作りだったのもすごかった。

LISTENERS

エウレカ』は見てなし。今期見てる中では唯一のオリジナル作品ですね。洋楽がモチーフゆえ、とにかくパロディや引用、あるいはメタファーとして好き放題にネタを詰め込み、それで物語を成立させているというのは物凄い技量じゃなかろうか。

こういう時に重要なのは元ネタを知らなくても楽しめることだと思ってるのですが、ちょうど自分もさほど洋楽に明るくなかったため上手い具合に被験体になれたと思います。面白かったです。

前半は1話完結、後半は点と点が繋がる長編といった構造ですが、後半になるにつれセリフひとつひとつに深いメッセージ性が込められていくように感じました。というより、前半の積み立てがあったからこそ後半カウンター気味に響く台詞回しが多くなったという感じかも。

演出はクサいと言うべきか王道と言うべきか。ハマる人はとことんハマるんじゃないかなぁ。オリジナルアニメってそんなもんですよね。

波よ聞いてくれ

ラジオが題材というのはアニメ漫画問わずコアっぽくて良いですね。自分は専らアニラジばかり聴いてるわけですが。

さてさて作中では渋いところからネタを引っ張ってきたり妙に秀逸なワードチョイスで深夜テンションの実況民をクスッとさせてきた作品なわけですが、最終回に全部持っていかれました。

現実にあった災害をモデルにしつつ、今まで本編的にも作中ラジオ的にもふざけ倒してきた物語が急にシリアスというか、真面目方面に振り切る、振り切らざるを得ない事態になって。そういった時にミナレはともかく他のスタッフ陣がテキパキと役割分担し仕事をこなしていくのが素直に「すげえ」という感想でした。ラジオやテレビなどは報道こそが貴重な電波を有する本分であり、その役割を的確に果たすというのはなんというか、言葉にし難いのですが臨場感がありました。

そして今までミナレに振り回されてきた人のほとんどは一般人で、この状況だからこそやれることがあるというのは少ないというのもまた「らしい」というか。普通の作品(?)だとこの窮地を脱するためにヒロイックに活躍する人が出てきたりするんですが、そういったことが無くあくまでも人間は無力でしかないのを描いたのがすごく良かったです。現実に被災された方には申し訳ない表現であることは認めます。

とにかく、こういったシビアな描写が敬遠されがちな昨今、「ラジオ」という媒体が題材となったために他のテーマでは描けない最終回だったのではないでしょうか。そしてラジオなどを通して人々は繋がるという希望も見出せるのがスッキリ終われて良かった。自分的には最終回だけで満点差し上げたい。

そして余談ですが、『LISTENERS』とは今期のアニメイズム同士、「話し手」と「聞き手」の立場が明確にされており、最終回でその立場を分かつ壁が破壊され、お互いに手を取り合って生きていくような構成に両方がなっていたの、偶然だろうとはいえすごい一致ぐあいです。びっくりしちゃった。

アルテ

放送前CMとかが多くてわりと気になっていた枠。中身はじっさい当たりでした。当たりというか、暖かい話が多いので心にすっと入り込んでくる感じですね。こういうのが一番終わって「あっ終わったんだった」ってなるんですよ。辛いよね。

シナリオは王道な成長物語ですが、そこに中世の男女観と画家という職業を加えたのが大きな特徴。アルテ自身は生まれた時から恵まれた環境に居つつも自身の夢を追う選択を取り続けるわけですが、ゆえに他人からの信頼を得られるというのは素直に良い話です。

なんというか終わって寂しいのもそうなんですが、一方で最終回放送直後とかにしれっと2期発表したりしそうだなと思ってました。そうでなくともある日ひょいっと顔を覗かせてきそう。それぐらい落ち着けるアニメだったということで。

つぐもも

予想した人いた? と思うぐらい間を開けての2期。特に作中で1期を振り返るような描写はありませんでしたが、見ていて「あぁ、そんなことあったな」とうっすら覚えているあたり、わりと正しい選択だったのかも。

中身は以前から良い意味で何も変わらず……と言いたいところですが、後半に入ると迷家の人たちを中心に据えたシリアス展開が続きましたね。もともとアクション要素も好評でしたし、そっち方面に全振りした作画も見応えがあって楽しかったです。求めていたかどうかは別ね。

最終回はまさか! といった感じですが、逆に言えば続編をやる気も満々ということでしょう。告知されなかったので本当に未定なのかもしれませんが……今回の2期決定のように、しれっと帰ってくるのを待つこととします。

グレイプニル

「THE・深夜アニメ」といった具合の見た目とその見た目通りの内容でしたね。今の中高生は多感な時期にこんなアニメを見れて本当に幸せだと思います。これを見て育った以上確実に人生曲げられてるからな。早くこっちにおいで。

……と書いたはいいものの、中盤以降は謎が謎を呼ぶ展開、協力関係にある人物が多数登場したために相関図が少々ややこしく、状況の把握がちょっと大変になったり。特に最終話にかけてはやや抽象的というか、作中人物的には感情で動いているような場面も多かった印象です。理想的な俺たたエンドでしたね。

ところで余談ですが、主人公とヒロインのCVの組み合わせが『FEエコーズ』だったので笑ってしまいました。そりゃ相性ピッタリだよ君たち。

 

あん畜生の犠牲となった未来ある者達

最後に、いち視聴者に過ぎない自分が言うのもおこがましいのですが、この情勢の中、制作を走り切った作品も、止めざるを得なかった作品も、決してその対応を責められるいわれは無いと思います。

もちろん延期判断に至った作品群はより高いクオリティでの放送が待ち望まれますし、続行を決断した場所は今後そのノウハウを活かした作品作りが可能になると思います。皮肉ではありますが。

とにかく、今後放送されるものも含めて、改めて制作に携わった皆様への多大なる感謝を。