Saltの思うこと

思ったことを書いていけたらいいなあ

久々にまともにシャニマスやった

シャニマスはめでたく3周年を迎え、3度目となる新ユニット「SHHis」の登場が発表された。

そして先日、SHHisの片割れである「七草にちか」がプロデュース対象として追加。Twitterは恒例行事(?)として阿鼻叫喚に包まれた。

そんな中、気まぐれ混じりではあるものの自分も七草にちかをプロデュースし、そしてW.I.N.G準決勝で敗退してきた。

今回はその感想を綴っていく。一応先に書いておくと、今後彼女をきっちり優勝まで導くかは分からない。

記事を読む上での前提

  • 筆者は普段はミリP
  • シャニはログイン勢レベル(グレフェスはやってないし、GRADすら解放していない)
  • W.I.N.G優勝やTrueの経験自体はある
  • シャニで好きなのは夏葉や果穂あたり
  • プロデュース内容はにちか+sR5人編成(一応Daのつもり)、メモ帳無し

社長ミッションにsRのみでAランクに導くものがあったし、自分の実力でそこまで出来るとも思っちゃいなかったけれど、あえて苦難の道に挑むのもありかと思った。軽率だった。

 

まずシナリオから。

にちかに対して常に不安のようなものを抱くPが目についた。元々他マスと比べてもPの人格独立ぐあいが強いゲームだけれど。にちかのアイドルへの強い想いや日々の努力は認めているものの、にちかをにちかとして輝かせられる決定的な何かを、P自身が見つけられていない気がした。

それもそのはずというべきか、にちかはPが直接目をつけたわけではない。シャニに限らずアイマスシリーズでは所謂「ティンと来た」感じでスカウトしたり、オーディションで光るものを見出したりしてアイドルになっているわけだが、にちかシナリオの導入は「にちかがPを(半ば)脅迫してオーディションの約束を取り付ける」ものだった。結果としてオーディション自体には合格しているわけだが、直後にわざと周囲に聞こえるように「合格したぞ」と叫んだり、何かと危なっかしい描写が多い。

途中からは「八雲なみ」という人物も登場する、というか話に出る。この人は話によるとかつて283の社長がプロデュースしていたアイドルのことらしい(詳しい話が語られるコミュを見ていないので知らない)。内容からするとほんの僅かな期間、花火のようなアイドル人生を送ったと予想される。そんな伝説の背中を追って自分もアイドルになろうと志したとは、なんと美しいサクセスストーリーの導入か。

しかし現実はそう甘くはなかった。にちかは八雲なみの模倣をしながらアイドル活動を続けることに、意固地になっている節すらあった。Pも初めはそれは決して悪いことではないだろうと考えていたものの、徐々に舞台が大きくなるにつれて、違和感を感じるようになっていった。にちかがやっているのは文字通り真似事に過ぎず、「アイドル七草にちか」としての個性に欠けていたんだと思う。それを危惧したPが軌道修正を図るものの、なかなか擦り合わせが出来ず、結果として(このプロデュースにおいては)花火として輝くことすらできなかった。彼女は「雑踏のその他大勢」になることを恐れてアイドルを志したように思えるが、待っていたのは「アイドルの中のその他大勢」でしかなかった。

また、シナリオ中「靴」の話が出てくる。にちかは自身の履いている靴では他人に見つけてもらうことができないから、八雲なみの靴を履くことで気づいてもらおうと言う。要するに模倣することの正当化なのだが、仮にそれで結果を残したとしても周囲から見れば、「八雲なみの靴を履いた何者か」に過ぎないんだろうなぁと思った。登山のために貰ったお下がりの登山靴も、サイズが合わなければ途中で脱げてしまう。かといってPが靴を仕立て上げるというのも、世間一般で言うところの「他人が敷いたレールの上を走る」ことになってしまうんだろう。

 

そんなわけで、にちかに抱いた印象をざっくりまとめると「アイドルに憧れ、志も高く持っているものの、アイデンティティに欠け、他人の真似事でしか自己を表現できない人」だった。語彙力が無いのでちょっとズレはあると思う。

アイマスで言えば「赤の系譜」に代表される比較的個性の薄い普通の子というのは多い。多いのだが、それでも彼女たちは自己を見つめることができていたはず。にちかはその自己の部分を八雲なみに転嫁してしまっているから、個を確立できていないんだと思う。それが如何様にして解決されるかは、今後次第である。

 

長々と的外れなことを語ってきたが、そろそろゲームプレイの話に移ろうと思う。

sR5人という無茶な編成でプレイしていたわけだが、これが実に大変だった。アピールやスキルはDa寄りのはずなのに、コミュで上がるステータスはViやVoなのだ。加えて個々人のステータスが低いため、オーディションで審査員から評価を得ることすら難しい。実際、一度オーディションに落ちた(なんとか持ち直した)。

この「Pが伸ばしたい部分と違う部分ばかり上がる」というのも、方向性が迷子なにちかシナリオらしいと言えばらしいのか? 結果としてダンス400程度で育成は終わっている。

そして何より恐ろしいのが、これでもW.I.N.G準決勝に進出したという事実。裏を返せば、手札を変えれば十分優勝に手が届くということ。しかし――これは他のアイドルでも言えることだが――それは本当ににちかの力による優勝なのか。

少し話題を変えるが、前に『ウマ娘』のハルウララのシナリオが話題になった。明らかに自身に不釣り合いな舞台に意気揚々と乗り込み、そして現実を知るシナリオ(要約)。このシナリオは強制負けイベントではなく、理論上勝つことは可能だが圧倒的に能力が不足しているからこそ話題になった。

プレイしていないので詳しく知らないのだが、システムではウマごとにフィールド適正があり、ハルウララ有馬記念のフィールドの相性は壊滅的らしい。そして周回を重ねたり、サポートを付けることで適正を改善することも可能だとか。

その後、やり込んで実際にハルウララを勝利させることに成功した人も現れた。が、自分はそれに違和感を抱いていた。それは本当に同じハルウララなのか? と。

他人のプレイなのだから勝手にしろと言えばそれまでだが、少なくとも「そこまでして」作り上げる必要があったのかと疑問視してしまう自分がいた。本人(本ウマ)の願いを叶えてあげたい一心は尊いものだが、元となった馬も存在するわけだし、なんというか、歴史に失礼な気がしてならなかった。

もちろん、WW2で日本が負けなかったとか、コロナが抑え込まれたとか、そういう歴史のifに興味があるのはとても分かるが、それでも、何か越えてはいけないものがある気がした。

話を戻すが、にちかもそうだ。現状彼女のプロデュースカードはRしか無い。それに最大限力を引き出させてやれるのがsSRやsSSRの面々なのだが、それはにちか自身の力では無いじゃないか。結局、彼女が勝つためにやっていることは「他人の力を借りる」ことで変わらない。

当然、システム上サポートを入れないことは不可能だが、それにしても今のにちかをSSRパワーで優勝に導くというのは、あまりにも違う気がしてならない。いずれ彼女にもpSRやpSSRが出て、それらにはTrue Endも付く。彼女の物語を紡ぐにはもう少し、時間が必要なのだと思った。