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【FEH】今年実装されたヤバいユニットを振り返る

今年のFEHは恐ろしいほどインフレが進んだ。サービス開始2ヶ月で「鬼神飛燕の一撃2」が登場した頃からは考えられないほど、強力なユニットが次から次へと現れた年であった。

この記事は2021年に登場・強化された印象的なユニットを筆者なりの主観とともにまとめたものである。

ピアニー&スカビオサ

今年最初の追加にしていきなり反則級。飛行踊り子の汎用性はそのままに、十字方向の攻撃+6というあまりにお手軽かつ強力なバフを持つほか、比翼スキルで1人で2回再行動、さらに死闘190とやりたい放題なユニット。「アビサルクリアしました!」という報告に彼女が添えられているのはもはや日常茶飯事である。

専用補助「やさしいゆめ」持ちなので飛空城はもちろん、闘技場の査定面でも隙無し(伝令効果が特に厄介である)と、再行動役として彼女を超える性能が今後出ることは恐らく無いという狂ったキャラの登場から2021年は始まった。ω超英雄というFEH史上に残る最悪の方法による超英雄新規追加も印象深いユニットである。

セイロス

初登場となる飛空城防衛の特別枠追加ユニット。攻勢時は絶対追撃、迎撃時は敵追撃不可とあまりに自分本位な追撃操作や「竜鱗障壁」による頑強さもさることながら、7枠目トラップが登場することに。

……というかそもそもの話「7枠目に配置されたユニットは防衛部隊が全員生存している場合、即待機状態になる」のに、「再行動効果を受けた場合は通常のAIで行動し始める」という、理解できないことは無いがしかし嘘を書くなよとしか思えない仕様の発覚から、飛空城のインフレは始まったのだった。

グスタフ

「護り手・近間」の登場。加えて本人は大幅ダメージカットと強化無効、更にキャンセルでガチガチに固めている恐るべきパパ。ストーリーで無念の死を遂げた分、今回は絶対に死なないという気合いが見て取れる。

後に「金剛の呼吸」が聖印化したことで瞬時に反撃の緋炎が放てるようになり、軽減できない追撃を喰らう前に奥義で倒すという、言わば借金を踏み倒すようなキャラになった。ちなみに半年後に登場した海賊スルトが全く同様の武器を持っている。こっちもこっちで一応パパだったりする。

ヘンリエッテ

「護り手・遠間」の登場。パパと違い汎用武器ながら、汎用赤魔では現状最強クラスとされる武器を持ち、さらに強化無効と弱化無効を兼ね備える。一見すると地味だが、これが意外と火力が出る。

そもそもの話として遠距離が強いゲームなので、それらを完璧に1人で処理できるユニットがいたならゲーム性崩壊もいいところであり、案の定というか需要は高く、超英雄として初めて英雄祭ピックアップに選ばれた。どう見ても本人の強さよりスキルの強さで人気になっている。後で紹介するハガ共々、FEHのスキル環境を大きく変えた革命スキルであろう。ちなみに「護り手」は共通して300SPスキルであり、査定面でも非常に優秀だったりする。

リーヴ&スラシル

既に陰りが見え始めていた回避剣士の時代にトドメを刺した。間接騎馬の恐るべき攻撃範囲から、「ダメージカットを半分無効化」し、加えて絶対追撃という高火力を発揮。さらにステ振りが速さ切り捨てで無駄がなく、また味方にダメージを与える代償があるためか、全ステータス+6という条件のわりに強力すぎるバフにより、間接騎馬のステータスを感じさせない。なんとか耐え抜いて反撃しようと思ったら予想以上に硬くて驚いた人は多いはず。

そして「不治の幻煙」である。「鼓動」や「恐慌」と違い、このスキルだけなぜか戦闘中から効果を発揮する。これにより夕陽や天空による受けが成立しなくなった上、現在に至るまでこのスキルの対策は一切無い。あるとすれば、受けるダメージを減らすことで回復する必要そのものを無くすぐらいか。

なお、大人数で役割分担できる飛空城ですら厳しいにも関わらず、比翼英雄のため闘技場の高査定帯にも容赦無く現れる。

伝承クロード

極めてお手軽な全ステータス+5飛行ながら「見切り・追撃効果」を兼ね備える。さらにキラー効果も内蔵と、単純ながら非常に高水準な武器が魅力的。……ではなく、彼の真価は専用スキル「落星」の自分から攻撃した時に80%ダメージカット+【グラビティ】付与にある。弓特効こそあれど聖印で解決可能、さらに素の速さが高い上に上述した見切り追撃があるため、速さで上回って追撃で倒し切る、という戦法がほぼ不可能。

下手に受ければ【グラビティ】のため次のターンで逃げることすらままならず、そのまま圧殺されるというパターンが非常に多い。ついでにダブル伝承の死闘効果が彼から185相当になった。シンプルながら非常に強力という、ある意味では彼らしい性能である。

子供ヒーニアス

今年の配布ユニットといっても過言ではない。特別なスキル等は無いものの、専用武器がキラー+攻撃速さ強化+奥義でダメージカット無効+奥義追加ダメージと、下手な5限ユニットの武器より余程強力で、登場時は衝撃を与えた。

なにせこの頃はダメージカット無効の奥義「狙撃」がまだまだ貴重だった時期(今も貴重だが)。その奥義が不要なうえ「始まりの鼓動」で2カウント奥義を常に発動可能にするというのは極めて強力という他無い。スキルを整えてやれば神階英雄ウルとほぼ同等の性能になることからもその性能が分かるだろう。

一方で配布であるため無課金でも容易に10凸可能という長所があり、後述する覇骸エーデルガルトなどを筆頭とする強力ユニットへの対抗手段として多くの召喚師を救った。戦力が充実して用済みになると飛空城のTA防衛に組み込まれるまでがセット。

伝承シグルド

恐らく今年一番やらかしたユニットは彼だろう。どういうわけか装備しているだけで移動+1される攻撃奥義という意味不明な概念を引っさげて現れ、奥義が発動すればさらに間接騎馬だろうがお構いなしに全味方の移動+1という、危険範囲詐欺が蔓延する諸悪の権化となった。ちなみにここまで奥義のことしか書いてないのだが、武器も大概に狂っている。当たり前のように付いているキラー効果全ステータス+5、そして絶対追撃初撃ダメージ40%カットである。

極め付けは「奥義の鼓動」を装備すれば初手から奥義が発動可能という点。前述の7枠目トラップや後述する「天駆の道」などと合わせて、ちらがまだ何もしていないのに突然防衛部隊が動き出しあっという間に壊滅状態という状況が幾度となく見られた。彼の対策のためだけに「鼓動の封緘・偶数」が再注目されたり、「空転の奇策」なるスキルが追加され、挙句の果てに「安全柵」が登場するなど、間違いなく今年を象徴するユニットの一人だろう。

覇骸エーデルガルト

伝承シグルドと並んでやらかしたユニット。男性部門、女性部門があるならそれぞれトップに立つと思われる。武器と専用Bスキルの効果だけを抜き出してもキラー、遠距離反撃、敵の攻撃守備-6、再行動、守備隊形、奥義隊形、初撃ダメージ40%カット、戦闘後回復というてんこ盛り具合であり、ここにさらにA・C・聖印スキルが追加可能となる。速さを切り捨てて他に割り振ったステータスのため尋常では無い固さを誇り、生半可なダメージではむしろ回復されていく。防御床に乗った日なんかにはもう目も当てられない。

彼女の登場以降に追加された武器の多くに「追撃不可を無効」が搭載され、新規奥義にはダメージカット無効が付いている辺り、彼女の影響は計り知れない。裏を返せば「入念な対策をしないとどう足掻いても無理」ということであり、どんな性能でも愛とスキル継承で強くなれるという本作の数少ない評価点を運営自ら潰したキャラと言える。

なお、修練の塔を始めとしたランダム抽選の敵ユニットからは除外されている。しかし除外する良識があるなら、そもそもそんな性能で実装するなという意見も多い。ちなみに、第1回総選挙勢やスルトはユーザーのクレームにより出禁となったが、彼女(と妄執ディミトリ)は初めから出禁状態である。

カチュア&ティト

アカネイアキャラであるカチュアがEchoesの双界枠として登場したことで物議を醸したペガサス次女による双界英雄。

その武器は「自身と周囲2マス以内の味方に伝令効果&トライアングルアタック付与」という強烈なもの。発表当時は若干過小評価されていたものの、リリースされると一転。ある程度密集していればどこからでも2回攻撃が飛んでくるという恐ろしさを、彼女が生存している限り常に味わうことになる。その性質上、特に飛空城防衛における初見殺しレベルが非常に高い。

彼女の本質は「2回攻撃」という一部の神器ぐらいにしか付かない効果を兵種や条件を問わず範囲内の全員に付与するという点にある。そこに絶対追撃が加われば、例え伝承シグルドだろうが比翼リーヴだろうが関係無く2回攻撃+絶対追撃による4回攻撃が可能となる。なお、彼女を中心に据えた防衛への対策としてまたしても総選挙アイクに注目が集まった。忘れた頃に刺さる男。

ノート

ついに登場してしまった、防衛神階枠における【天駆の道】所持者。ついでに特別枠追加も担う。上述した伝承シグルドと合わせて「シグノート」と称されるほど、防衛の可能性を圧倒的に広げた大戦犯である。シグルドは伝承英雄なのに関係無いシーズンでも使われていたことからその強力さが窺い知れる。ひどい時にはノートが4人並んだところに伝承シグルドや間接騎馬が待ち構えているなんてこともあった(この場合、ほぼ逃げ場は無い)。

ついでに本人の戦闘力も高く、デフォルトで遠反+強化増幅+回避を備える。そこに「脅嚇」が加わることでバフを自己完結させる形となる。神階効果こそ受けられないものの、高い総合値をさらに増幅させるため生半可なユニットでは反撃で倒されてしまう。対策に護り手に「近距離防御4」を持たせることもあったほど。

現在では安全柵の登場によりシグノート防衛は数を減らしたものの、相変わらず【天駆の道】自体は脅威となる。

総選挙エイリーク

人々が覇骸エーデルガルトの攻略に苦心していた時、彼女は颯爽と現れた。武器と専用スキルだけで重装騎馬特効、キラー、全ステータス+5、追撃不可無効、初撃ダメージ30%カット、再移動、キャンセル無効、奥義ダメージ加算と相当にやりたい放題である。

特に最後の奥義ダメージ加算がかなり強力で、デフォルトの月光(キラー効果によりカウント2)でも「敵の守備の40%を加算」した上で「敵の守備魔防-50%扱いで攻撃」する。これにより凄まじい超火力を発揮し、覇骸エーデルガルトどころかグスタフすら突破した報告も上がるほど。あまりの威力に「エイリーク算」と呼ばれた。ちなみにデフォルトだと「鬼神飛燕の迫撃」を持つため、ついでに回復もする。

下記の総選挙アルムともども、護り手環境に対する運営の答えが「火力をインフレさせて受けを成立させなくする」なあたり、一時期のポケモンめいてきたところがある。

総選挙アルム

錬成によって人であることをやめ、馬になった流行に乗ったのだろうか。もちろんそれだけでは飽き足らず、特定条件下ながら全ステータス+10と追撃不可無効の風薙ぎを新たに手にし、元々持っていた「覇神断竜剣」の固定ダメージも重なると、状況次第では総選挙ヘクトルをも貫くというまさに「力こそ全て」な覇王と化した。

あまりの高火力から印象が薄くなりがちだが、守備魔防+10もかなり厄介で、速さがあるので追撃もしづらい。大前提として反撃不可のため受けること自体が無謀な選択であり、さらに祝福補正等によって強化される。まさしくステータスの暴力と言ったところで、総選挙1位の面子はなんとか守り切ったと言えるか。

ユーリス

移動+1、再移動、キラー、長距離入れ替えスキル持ちの暗器という、飛空城における人権を体現したかのようなユニット。おあつらえ向きにBスキルが空いているのがいやらしい。

溝地形の影響を受けない3マス移動から、間接にも関わらず固定2マスの再移動により極めて移動の自由度が高く、筆者も所持しているが、「安全柵」と合わせて撃ち逃げ戦法が非常に安定するようになった。巷では範囲奥義を駆使することで遠間護り手をぶち抜いてからじっくり攻略する、なんてことも。とにかく、ユーリス1人いるだけで攻城の戦略幅が変わる。

野良でも登場するが、高い火力、広い攻撃範囲と入れ替え+再移動により常に後退するため、なかなか攻撃が届かずおまかせ勢の最大の敵となる。

伝承マルス

元々マムクート絶対殺すマンとして一定の需要があった彼だが、アップデートによって自分より遅い敵は全て竜と見なすようになった。

加えて「神剣ファルシオン」は強化増幅+連帯の同時所持というバフもデバフも自らの糧とする驚異的な効果を得、さらにたった数ヶ月前に登場したばかりの自分の総選挙ver.専用奥義を貰ってくるという形で武器とのシナジーを発揮。武器と奥義を装備しているだけで見た目のステータスから+20される(青バフ含む)というのだから詐欺も甚だしい。

総選挙マルスは自身の奥義で鼓舞された味方からさらに力を得るというコンセプトだったが、伝承マルスはもはやそれすら必要無く一人で完結してしまった。一応スキルの発動には味方が必要だけど。彼の恐るべき強化によって、もはや過去のスキルであった「凪」による強化無効が再注目されるなど、環境の変化に一石を投じた。

なお上述した「封印の盾・承」は「速さが敵より5以上高い時、または敵が竜の時、自分は絶対追撃、敵は追撃不可かつ反撃不可」という効果なのだが、そもそもFEHのルールとして「敵より速さが5高ければ追撃が可能」な仕様なので当たり前のことしか書いてないと言われてたりする。それもこれも全部追撃操作システムが悪い。

おわりに

以上、比較的よく見かける&敵として印象に残る15ユニットを選出しました。

他にもミルラ&ンンとかエイリーク&エフラム子供ラーチェルEchoesパオラ伝承ベレトシーダ&プルメリアウル総選挙マルスリーフ&セリス開花フィヨルムカムイ&エリーゼフォルカ開花レーギャルンエイトリ、錬成では総選挙エリウッドユリウスヴァルハルトなどなど強力なユニットが多くいますが、どちらかというと味方の印象が強いですかね?

今↑に上げただけで17人いるってのが恐ろしいですが、記事中の15人に比べたらある程度は常識の範囲内というか、崩す手があるかな〜という気持ちや、敵に回した際のサンプル不足で書きませんでした。全部書くと時間足りないし。

来年は5周年ですが、どうなるんでしょうね。