8月18日から劇場での先行上映が始まっておりますTVアニメ『アイドルマスターミリオンライブ！』。
むろん観に行ったわけですが、まあ内容が良い。この記事読んでるあなたはたぶんもう観に行ってるとは思いますが、まあ内容が良い。まだ観てないという人はぜひ観に行って下さい。みんな観た人が「良い」って言ってます。
で、前置きはともかく、今回はタイトルの通り歌詞が良すぎるっていう話です。
アイドルアニメというと主題歌や挿入歌などた〜っくさんの楽曲が生まれるイメージがありますが、ミリアニ第1幕時点で3曲しか使われてません。でも驚くほど歌詞がピンポイントで刺さる部分が多いので、改めて振り返ってみようという記事です。
劇中で使われた曲のネタバレになるので、以下折りたたみ。
ToP!!!!!!!!!!!!!
始まる物語（ストーリー）
好きな夢 描いたら
本当の自分 探しに行こう
終わらない道（ストリート）
どんな日も乗り越えて まっすぐ進もう
みんな信じて
ミリアニを観た100人中100人が泣いたと評判の冒頭、765ASの13人による『ToP!!!!!!!!!!!!!』。事前情報やミリシタでの展開から『M@STERPIECE』が来るのだろうと身構えていた私たちを襲う「ト〜ップ♪」の歌い出し。
開演前に未来が放った「頑張れ〜！」のかけ声が跳ね返ってくる演出や、ライブ後に静香が歌うアカペラなど、第1話の脚本はこの曲の使用を軸にして書かれたのではないかと思ってしまうほどハマっている歌詞です。
また個人的に、表題曲としてのこの曲の立ち位置も意味があると考えていて、というのも765AS単独のゲームは現状『ステラステージ』が最後なんですよ。次のコンシューマー向けは『スターリットシーズン』になっちゃうので。
そしてミリアニの世界設定はご存知の通り、ムビマス（アニマス）をベースに律子がアイドルのまま、源Pがいて赤羽根Pが実質昇格しているなど、都合良く改変されています。
似て非なる「輝きの向こう側へ！」を経た春香たち13人が、後輩となるミリオンスターズへの橋渡しを行うに相応しい作品の表題曲が、この『ToP!!!!!!!!!!!!!』だと思うんですね。『Happy!』でもいいんだけど意味合いとしては若干弱くなる気がする。ミリシタにも実装されてないし……。
Rat A Tat!!!
ずっと探してた ずっと夢見てた
"I"（私）だけのきらめく世界
（中略）
気づかれずに終わらせはしない
届け 届け 『希望』の音
あまりにも思想が強すぎる。ほとんどメタいと言っても過言ではない歌詞。それがこのミリアニOP楽曲。
作品世界的には765プロの新人アイドル、亜利沙が指摘したように無名もいいところな彼女たちが、困難に立ち向かいながら躍進していく……というのが本作の大筋だと思いますが、境遇があまりにも『ミリオンライブ！』すぎる。
以前にも合同ライブのあれこれで話題になりましたが、ミリオンライブは（アイマス内外問わず）根本的な知名度に欠けるところがあって、宣伝不足なだけだろとは思いつつどこかタイミングが悪かったりして、10年の旅路も楽々とは言えませんでした。
そんなコンテンツがようやくアニメ化した時の主題歌から発される「気づかれずに終わらせはしない」、ちょっと重くない？？？
届いてほしいのが「声」ではなく「音」というのも、これまで「楽曲が良い」と評価されてきたミリオンならではの表現だと思います。あえて「歌」でもないというのがまた示唆的。
余談ですが『希望』とは、ミリオン4thの時に公開された（手描きの）アニメPVの印象的なカットで使用されていた言葉でもあります。
Legend Girls!!
ここから始まる伝説へ Let's join
みんなで目撃者になろう
一緒に感動したいね
忘れられないステージ
We'll be Legend!!!
挿入歌ではなく劇伴としてアレンジされているにも関わらず流れた瞬間に全員がどの曲か分かったことでお馴染みの『Legend Girls!!』。
個人的にも大好きな曲で、何を隠そうこの曲は（『Thank you!』を除くと）ミリオンライブにおける最初のユニット楽曲です。10年間歩んできたコンテンツのいっちばん最初の曲が「ここから始まる伝説」って。いやこれ自体は歌マスの「今日これから始まる私の伝説」のセルフオマージュなんですが、にしたってさ。(?)
アニメ内で使われた場面も印象的で、それこそ引用部分に相応しいシチュエーション。この「みんな」は、居合わせたアイドルや源Pだけでなく、視聴者全員がそうと言えます。
セブンカウント
たとえば小さな蕾
ずっと抱きしめてた その色を見つけて
始まる予感が花開いていくんだ
まだ出逢ってない夢が また扉叩くから
実は初公開からもう1年半経ってるアニメプロローグイメージPVとかいうよく分からない存在の曲。僕はたぶん50回ぐらいはあの動画見てる。
あのPV、未来が作文を放棄して寝落ちしている時に見た夢の中という映像ですが、個人的にはシンクロニシティというか、全員が同じような夢を見ていたんじゃないかと思ってるんですね。
それを念頭に置いて改めて4話を見てみると、瓦解しかけていた原っぱライブの企画が、未来の本音と源Pの歩み寄りによって改めて意志の統一がなされ、全員が初めて同じ方を向いて一歩を踏み出した回と解釈できるんですよ。良くないですか？
Precious Grain
いや使われてねーじゃん！ と思わず突っ込んじまうと思いますが、これだけは書かせてほしい。お願い。いいね？ いいよ。
限られた未来が落ちていくのを
眺めるだけなんて、嫌
（中略）
たった一つだけのかけがえのない夢
あなたにも見えたのなら……手を差し伸べて
2話の最上（名字呼び捨て）じゃん……。前々から好きな曲だったけど、今回改めてこの曲の解像度が上がったというか、深みが増した気がする。オーディションで失敗しそうになって、絶望の表情を見せた後、未来と翼の後押しでなんとか踏みとどまり、『Rat A Tat!!!』のCメロを一人で歌い上げる様を見て僕は、
「そうだ！ お前は歌ってこそのアイドルだ！ ダンスなんかちょっとぐらい失敗してもいい！ お前は歌で魅せるアイドルだろ！」
と映画館内で大声で叫んでそのまま退場させられました。嘘ですが、そう思ったのは確か。
関係無いけどこのカードイラストも好き。これは『Catch my dream』の方だけど。
ミリオンのソロ曲ってパーソナリティにかなり寄った作りのものが多いので、尺的に厳しいだろうけど個人の解釈が深まるような描写が今後も含まれていたらいいなぁと思うばかり。
終わりに
タイトル見て思ったけど「ミリアニの歌詞」ってなんだよ。
