Saltの思うこと

思ったことを書いていけたらいいなあ

2024冬アニメ感想

放置してる間に春クールも出揃ってしまったぞ。

さて、冬クールは15本見てたんですが、うち9作が上田麗奈出演作でした。声優で選んでいるつもりはそんなに無いけど偏りすごいな。5分の3って……。

月が導く異世界道中 第二幕

(一応)上田麗奈枠。その1。2クールあると把握してなかったので後半「どうやって終わるんだろう……」と思いながら見てたのは内緒だ。

疑問に思うんですが、異世界転生ってなんで学園行きがちなんでしょう。絶対アカデミー編とかありますよね。深い理由は無いんですが……。

今期は特に前半で本来の勇者たちの話に時間を割いてたり、時を置いての2期あるあるな「説明無しに平然と話を再開させて、進行しながら思い出させる」タイプで微妙についていけない場面も多かったな。1話EDが水戸黄門だったのはよかった。

姫様、"拷問"の時間です

『カワイスギクライシス』から続く出オチのネタを永久に擦り続けるジャンププラス原作アニメ。こういうのばっかなんか? いやパッと読めていいことだと思うが。

"拷問"、いわゆる飯テロの文脈をふんだんに使っていく深夜に見たくないアニメ……かと思いきや、食べ物だけでなく愛玩動物やその他もろもろに姫様が超スピードで絆されていくギャグがちょうどいい感じにゆるくて、楽しく見れました。舞台も現代なんだかファンタジーなんだか意味不明だし、当たり前のように足枷を自ら外して外出し始めるしで、その可笑しさも加点要素。魔王軍も徹底してホワイト企業だし、魔王様自身はなぜかTwitterで見るような声優オタクだしで後半はそれはもう面白かった。そのたびに姫様もノリノリで国家機密をバラしていくもんだから、これはもう売国奴だし一刻も早く助けるどころか口封じに行った方がいいよ。

なんと2期決定。この空気感をしっかり引き継いでくれたらいいな。あんまり間を置かないでくれると嬉しいかも。2期1話のアバン、絶対仰々しい雰囲気を出してくると思う。俺は詳しいんだ。

道産子ギャルはなまらめんこい

上田麗奈枠その2。北海道を舞台にしたクラシックなラブコメ作品。名前に季節の要素が入ってたり、単純ながら分かりやすい内容でした。

実に深夜アニメらしいというか、時代が時代なら自主規制の謎の光がたくさん差し込んでたんじゃないかなって気がします。ただそういう枠は今はもうラノベ原作に需要を吸い取られているので、なにぶん思春期らしい健全なお話にまとまっていましたね(?)

何にせよ、最終回直前で突然オーイシマサヨシが登場した時のインパクトがデカすぎてそれを上回れなかった。しかも挿入歌扱いでセリフが無いから本人も登場を知らなかった上にたぶんギャランティも出てない(収録はしてないので)っぽいのが面白すぎた。

悪役令嬢レベル99〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜

悪役令嬢もの……の皮を被ったシュールギャグアニメ。言うほど悪役令嬢してなかった気もする。

今期はなにかとレベルアップと縁のある作品が多かったですが、そんな作業的な要素をゲーム世界の人物たちはどう思っているのか? と落とし込んだ結果がこれだよ! 現実的に考えたらモンスターを誘き寄せて狩ってレベル上げするなんて常識外れすぎるもんな。自分からスラム街に踏み込んでいくようなものだし。

そんなこんなでレベル上げし過ぎて人生イージーモードなうえに作中の展開も全部知ってるユミエラ氏は、周囲の視線も気にすることなく淡々と物語を進めていくのでした。その淡々ぶりが恐ろしいし、話を進めなきゃいけないときは棒読みになってでも"そう"立ち回るのが面白かった。終盤になって残りの尺が少ないことを思い出したかのようにシナリオ進行が爆速になったのはちょっと残念だったかな。

異修羅

上田麗奈枠その3。水曜のKADOKAWA枠でいいんだよな。

刃牙の最大トーナメント編みたいな、各方面において最強の人物を集めて殺し合いさせようぜっていう触れ込みだった気がするのですが、蓋を開けてみれば前半6話以上に渡ってキャラを紹介、そして後半で激突した結果その半数以上が死ぬという凄まじい使い捨てというか「前半なんだったの?」感も拭えない展開に。

実際のところ分割でして、2クール目で本当に最大トーナメント編が始まるっぽいんだけど、ここに至るまでがやや無駄足に感じちゃったな。強い人に関して色々理由つけて「強い!」って言うのは分かったんだけど。2クール目で補充用員も出てくるだろうから覚え直しだあ!

ダンジョン飯(1クール目)

Twitter実況はしてなかったんですが、ばっちり見てました。以前から話題の注目作。2クールだと知らなかったのでびっくり。

ぱっと見の印象では、よくあるグルメものをモンスター素材でやってみましたよ的なありふれた内容なんだろうと思っていたのですが、実際のところかなり緻密に作り込まれていたのが良かったですね〜。

設定自体は荒唐無稽だけど「そうなんだろう」と思わせる説得力というか、オールドファンタジー作品の良いところが存分に詰め込まれていました。特にモンスターの生態とかの細かい部分。これがしっかり描かれているかって大事だと思うんです、説得力の部分で。

作画もめちゃくちゃコミカルで活き活きとしていて、あれほど人物が少ない上に派手な装飾をしているわけでもないのに、画面を見ているだけで飽きないってすごいと思う。絵作りのセンスここに極まれり。ぶっちゃけ今期これだけ見てりゃいいよ、うん。

魔都精兵のスレイブ

上田麗奈枠その4。アニメ化発表から放送まで結構かかったような? 放送時間は早めだけど1クールに1つは欲しいお色気バトルアニメ。

何と言っても作中でそのものズバリ「ご褒美」と言っちゃう潔さよ。尺はそんなに割かれないけどしっかり印象に残るあんなシーンやこんなシーン、深夜アニメ見始めの中学生とか虜になっちゃうね。

バトルの方もかなり頑張っていて、1人1つの能力ものとしては妙に個性立った面子揃い。コピーや巨大化、時間停止に空間移動とすこし能力のクセ強くない? と思いつつ、個人の強さの裏付けにもなっていましたね。このジャンルはインフレすると逆に複雑になっていく傾向にあるので、今後もシンプルに進んでほしい。

葬送のフリーレン(2クール目)

実は上田麗奈枠その5。そんなメトーデを始め、2クール目に入ってグッと登場人物が増えました。しかし終わる頃にはみんな顔馴染みというのは、まあいつものこと。

1クール目から作画力はさらにマシマシに、フリーレン一行のありえん強さも周りに人が増えることでそれとな〜く伝わるようになってて、相変わらず細かいところに気が効く作りですね。ゼーリエの最終試験も蓋を開けてみれば合格ラインがガバガバだったりシュールな笑いに溢れた楽しい道中(進んでないけど)でした。

2クール目でほとんど出番が無かったシュタルクは、今後見せ場あるかな? 反響を見るに続きはやりそうだし、しばらくは「待ち」の姿勢でいようか。これほどのメンバーを揃えるにはまた時間かかりそうだからね……。

ダンジョン飯』と合わせて、今期一般層にもウケの良かったであろう作品がどちらも古典的ファンタジーを下地に敷いているというのは、なんとなく日本らしさを感じますね。

スナックバス江

枠の関係上リアタイが出来ず、休みの日にお昼ご飯を食べながら録画を消化するというあまりにも本作を見るのに向いていない方法で追っていました。ジャンプ同士で時間を被せるな。

当初からなんやかんや言われてましたが、気を抜きながら見るぶんには結構楽しかったですよ。面白フレーズとか妙に納得できるような話も多かったし。テンポの良さで言えばもう少し畳み掛けるようなスピード感が合っているはずなんだけど、あんまり早口でも困るからな。

今期の中でも好き放題やっていた方だと思うので、そのテンポ面を改善した上で続きとかやってほしい。正直テレビシリーズよりは尺の使い方が自由なWeb媒体の方が向いている気もするけど……。

追記:とか言ってたら「例のアレ」が出てきて笑ってしまった。あの形式で声優さんが声当てたらいい感じになる……というかボイスコミックが一番ハマりそうだ。

アンデッドアンラック(2クール目)

いや〜良かった。「否定」を軸にした一味変わった能力バトルものでしたが、まさかループものの要素も含んでいて、あろうことか作者自身の体験をそのまんま投影したような人物まで現れるとは。やりたい放題が過ぎるけど、これら全てが話として一本筋が通っていて、どれが欠けても成立しないのはスゴイつくりだ。

特にその安野雲まわりの仕掛けがアニメならではというか、これまで本編内に関係の無かった冒頭あらすじや次回予告のナレーションがそのまんま本人のCVなんですよってところとか、未来を書き換えた回の次回予告で何も言わなくなる(知らない未来だから)とか、そういった演出のおかげで恐らくは原作以上に説得力が増していたんじゃなかろうか。

というか自分で気付いた時に「そういうことか!」ってなれるぐらい劇中で情報をお出ししてくれるのがありがたい。正直なところ関係者のTwitterやインタビューで補足説明が入るの滑稽だなって思ってるので。そんな痛快ドラマはまだまだ始まったばかりというか「オータム編」っていきなり知らない単語が最終回に出てきちゃったし。はよ続きを。

マッシュル-MASHLE-(2クール目)

上田麗奈枠その6。OPがバズりにバズってましたねー。「アイドル」的な存在感を発揮していらっしゃった。

内容としてはたぶん連載レース真っ只中であろう序盤の筋肉ギャグ一点突破の頃よりだいぶ真面目方面に舵を切ったというか、マッシュ以外の人物にも焦点を当てて筋肉でゴリ押す場面が減ったので、幾分ふつうのアニメになった気がします。方向性としては『ワンパンマン』とかに近いかな……。アレも主人公が最強なのが決定している以上いかに活躍をセーブするかという方向性になって見どころ減っちゃってたので、そういう運命なのかもしれん。

「主人公が最強」は別にどの作品でも基本そうだし全然構わないのだが、活躍を露骨に制限させられたりあまりに謙遜するような立ち回りだとちょっと癪に障る自分がいます。強いなら強いなりの作劇ってもんがあるだろうに。いやこのアニメに言いたいわけじゃないけど!

俺だけレベルアップな件

そういえば上田麗奈枠その7。あんまり出番無かったね。これは特に含みとか無い発言なんですが、世界的にヒットを飛ばしている作品に限っていざ目の当たりにした時に「あんまり刺さらないな……」ってなる現象ありますよね。逆張りとかなんでもなく。俺がズレてるのか? 世間の評価が俺が思っているほどでもないのか? という感覚に陥ります。自惚れとかでもなんでもなく。

で、本作はどうなんだと言うと、別につまらないわけじゃないんだけど、ちょっと淡白だなというか、至って普通だったなみたいな感想が一番に来ちゃいますね。アニメ化作品に往々にしてよくある「1日でも先に放送された方が既視感とか無くて有利」というアレにものの見事にぶつかった気がします。

昨今のなろう作品が開始5分程度でタイトルを回収して残りは好き放題させていただきますよというノリが浸透している中でミズシノくんの覚醒にめちゃくちゃ時間割いてたり、大作思考もここまで来ると退屈になっちゃいますね。あとはキャラデザとか2期決定とかの諸々がいつものアニプレックス仕草全開だったので、そういう面でも目新しさを感じず。

ラグナクリムゾン(2クール目)

上田麗奈枠その8。2クール目は翼の血族vsラグナwith銀装兵団という構図になりましたが、いや〜〜〜本当に楽しかった。何が良いってみんなそれぞれに信念があるんですよね。

銀器姫を中心としつつも個々の戦闘力も相当なもので、それでも竜族には一矢報えるかみたいな圧倒的なパワーの差があって、それを承知で後はもう精神力の勝負という熱血バトルなのがすごい良かったです。ありがちな「敵にも色々過去とか事情とかあるんですよ〜」と同情を誘う回想も長すぎず嫌味すぎずの絶妙なバランスで、長いこと立ちはだかったオルト・ゾラも最期まで行動理念に納得が行く裏付けになってたもんね。アルテマティアでさえ、あそこまで狂気の言動になるきっかけとして腑に落ちるものだったし。それはそれとして滅ぼすんですが……。

ちょこちょこ息切れしそうな場面がありつつギリギリで耐え抜いた制作現場も、恐らくラグナの戦いのような極限状態だったのだろう。2クールお疲れ様でした。犠牲者は多かったけど、護りたかったものをちゃんと護れていて嬉しくなっちゃった。ラグナも制作現場も。

僕の心のヤバイやつ(第2期)

ちょっと忘れかけてた上田麗奈枠その9。登場遅いんだもの。最初から決まってたわけじゃない2期だったと思うけど、だいぶ早いうちに放送に漕ぎ着けてよかったね。中身忘れちゃうこともよくあるからさ……。

内容はもう1期から輪をかけて、見ているこっちが顔面崩壊しそうなアレやコレやが全くドヨルの一番最後に見るのに相応しくないアニメだった。どうしてくれるんだ。ここからお風呂入って寝る人の気持ちを考えてくれ。

ようやっと両者告白できたぜ〜! という感動の最終回のエンドカードで思いっきり結婚してたのが面白かったです。まあカップル成立した後の話なんて描くだけ野暮だからな。その「事実」だけで我々はご飯3杯は食えるんで。

範馬刃牙(2クール目)

刃牙シリーズの集大成とも言える「地上最強の親子喧嘩編」、めちゃくちゃ最高でしたね! ある意味楽しみの一つでもあるインターネットでよく見るシーンもちょこちょこあったりして。

ピクル編と比べるとだいぶ原初のケンカバトルに寄った肉体のぶつけ合いで、面白シーンも多数ありつつ毎話全く飽きることの無い恐るべき1クールであった。勇次郎があくまで父の立場としてとはいえ、それまでの破天荒ぶりからは想像もできないほどちゃんと大人をしていて、そのギャップでもめちゃくちゃ笑った。独歩じゃないけど「ずいぶん丸くなったな、お前……」という気持ちになっちゃった。

続編となる『刃牙道』も製作決定だそうで、だんだん連載に近づいている気もするけどどこまでやるんだろう。もういっそ烈海王異世界転生もアニメ化するべきでは? そういや今期の烈はボクシングやってるだけだったけどアレマジで何だったんだ。アニメを締め括るように「以上!」で会見打ち切るし、敵わねえよ。

Tier表

左右差無し。

  • S(さいこう)

ダンジョン飯、葬送のフリーレン、ラグナクリムゾン、僕の心のヤバイやつ、範馬刃牙

  • A(すごくいい)

姫様、"拷問"の時間です、悪役令嬢レベル99、アンデッドアンラック

  • B(かなりいい)

道産子ギャルはなまらめんこい、魔都精兵のスレイブ、スナックバス江

  • C(まあまあ)

月が導く異世界道中 第二幕、異修羅、MASHLE、俺だけレベルアップな件