Saltの思うこと

思ったことを書いていけたらいいなあ

2021夏アニメ感想

今期が終わって次クールで今年が終わると考えると、やはり時の流れは早いですね。昨年の同時期の層の薄さから考えると、コロナ禍でもここまで作品数が回復してくれて嬉しい限り。

と言っても今期、自分はそこまで多く見ていませんでした。仕事の関係で22時台のアニメが見づらかったり、そこまで趣味でないタイトルが並ぶことも多く、結果的に水〜土の4曜日しかアニメ自体を見ていませんでした。そんなわけで、今回は再放送も込みでの感想です。

月が導く異世界道中

今期もいくつかあるうちの異世界転生もの。どっちかと言うと転移? この差異をあまり分かっていないのだけれど、死んでないからたぶん転移。

全体的にコメディチックな作りで、終始楽しく見れました。極めてパワーバランスが崩れているいつもの状態を、無双する爽快感ではなくギャグとして消化するのがメインだったのは新鮮だったかも。一方で主人公の目的意識が薄いというか、途中途中において流れに身を任せる展開なのは気になったかな。RPGのサブクエみたいな感じ。

それはそれとして、めでたく2期も決定ということで、この方向性を維持したまま地に足着いた進行を続けてほしいです。

ハロー!!きんいろモザイク(再)

本放送は6年も前なんですねぇ。原作の連載も終わって、劇場版でアニメシリーズも完結と月日を感じさせます。

当の自分はこの後に制作される『Pretty days』を見ておらず、結果的に『Thank you!』も見れていないという……。どこかしらで機会があれば良かったのだけど、どうにも配信サイトとかで見るのが苦手な性分でして、テレビなりネットチャンネルなりの放送形式でないとすぐに積んじゃうんですよねぇ。漫画も同じです。

きんモザの内容自体は今さら触れるまでもないTHE・きららといったところです。1期と比べると記憶がハッキリしているので、懐かしさを感じながら見ていました。

小林さんちのメイドラゴンS

今回の放送に至るまで、京アニには様々な困難が待ち受けていました。巻き込まれた、の方が正しいけど……。ちょこちょこ劇場アニメを公開して相変わらずの高評価は得ていましたが、ようやくテレビシリーズにも復帰となりました。

1期の時は周りのドラゴン達も含めたお話が多かった気がするのですが、2期では各家庭(?)内での描写が増えた気がします。その関係で一人暮らしのエルマは若干影薄かった気も。特に序盤は新キャラのイルルを始めとした小林さん周りの変化が大きかったですね。イルルを懐柔してからはいつものノリでした。

お話はどっちかというとエモーショナル寄りになりましたかね? カンナ回がいずれも顕著ですが、トールの過去に触れたのも印象深かったです。ところで店で何度もEDを聴いているのですが、めちゃくちゃ歌詞が良いので皆さん聴いてください。

白い砂のアクアトープ

23日放送の一区切りまで。今期唯一の2クール作品ですね。P.A.のお仕事アニメということで、お仕事アニメという呼び方がいつ定着したのか知らないのですが、今回は沖縄の水族館が舞台。自分は沖縄には高校の修学旅行で行ったことがありまして、美ら海にももちろん行きました。水族館ってのは独特の空気感があって『どうぶつの森』とかでも好きなスポットです。

閉館間近の水族館を再興させるべく、8月の間、館長代理を務めるくくるが四苦八苦するというもの。これだけなら単純なドタバタ劇に出来そうですが、あんまりデフォルメを効かせていないので結構現実的な展開が多いです。そしてその現実は閉館という抗えない事実にも降りかかってしまいました。結局くくるも閉館を受け入れ新天地へと向かうわけですが、正直閉館までを描いたバッドエンド寄りの1クールシナリオでも良い出来なんじゃないかと思っていて、2クール目は少し不安です。

無難に行くならティンガーラ(移行先)で改めてP.A.らしいドタバタ劇に回帰するのかな? とも思いますが、ちょくちょくファンタジックな要素が出てきているので、それが今後どう作用するかが見ものです。とりあえず、ここまでが情感たっぷりで良かったので蛇足にならないことを願う。

まちカドまぞく(再)

1クールに2作きららの再放送があるという、新作に飢え始めたきらら民としては幸腹なクール。

本放送時と比べて原作勢になったので、極めて忠実に原作をなぞっていて、原作の構成がしっかりしてるんだなぁと再認識しました。スタッフ陣も元々2期をやる余裕を持たせていたらしく、尺的にもちょうど良い2巻区切りでしたね。『おちフル』民としては原作からのカットがほとんど無いのはちょっぴり羨ましかったり(あっちは2巻終わりだとちょっと歯切れ悪い気もするので仕方ない)。

再放送の終了とともに2期のタイトル発表および1期のコンパクトBlu-ray発売が告知されましたね。なんだかんだあと半年ぐらいで始まっちまうので、それまでに3巻以降を読んでおこうか迷っているところです。悩みどころだよね。

八月のシンデレラナイン(再)

2回目の再放送で、本放送は2019年。原作ともずいぶん長い付き合いになってしまいました。

今期はハチナイを原案にした実写ドラマなんかもありましたね。アチラも面白かったので是非。当のアニメ側はというと、ようやく完全新作の13話が放送となりました。アニメ本放送の時期に新登場した、有原達の後輩世代がメインとなるお話です。

個人的にはアニメで出番の少なかった経験者組も登場を期待していたのですが、そこはちょっと残念。原作との乖離が激しいので2期もやや作りづらい気がしてなりませんし、今後はどうするんだろう。それにしても新作エピソードすらブラッシュアップ版を公開予定って、さすがに制作会社見直した方が良くない……?

BLUE REFLECTION RAY/澪(2クール目)

完走した価値は大いにあったと思います。少なくとも今期アニメで一番毎週の放送を楽しみにしていた作品です。

1クール目終盤でようやく敵側の真なる目的が明かされ、事実上の敗北から始まる2クール目。直接対決を経て変化した関係性や成長の機微が見ていて楽しかったです。特に後半は登場人物の過去を追体験することが多く、それでもってようやく何故こんな行動をしたのかが分かる構造に唸らされました。

全体としてはやはり演出の何とも言えなさやあまり多くを語らないシナリオ等でオススメしづらいところがありますが、そのぶん考察は捗りますし、なにより明確に言語化されると陳腐なものになってしまいかねないので、少しフワッとした着地でちょうどいいんじゃないかと思いました。続編(?)となるゲームも楽しみですね(買うのが確定している口ぶり)。

カノジョも彼女

今期最初に最終回を迎えたのはここでした。TBS系で話数固定なのが大きいか。昨今にわかに再隆盛を迎えつつある(?)ラブコメ枠……と言いたいけれど、作者の関係でだいぶコメディに振り切っている。

合法的に二股するという大前提が(少なくとも日本国内においては)倫理的におかしいのだけれど、その大前提を崩されると話が進まないので屁理屈という名の正論で押し返し続けるというパワープレイが非常に目立った作品でした。根本が正気じゃないのに、キャラクターの理念自体は皆一貫しているから何となく筋が通っているように見える。何度も書くけど前提がおかしい以上いつトドメを刺されてもおかしくないという適度な緊張感を持って話が作られているので、結果的にメリハリにはなっていたと思います。

惜しむらくは前枠がよりにもよってブルリフの2クール目だったことでしょうか。シリアスもシリアスな話から一転してバカラブコメに強制的に空気を持っていかれるので、どっちも楽しみたい身としては若干複雑でした。ここまで笑わせておいて、放送が終わったらさてブルリフの話するか……と切り替えられるレベルなのもそれはそれでブルリフ凄かったと思うけど。

ところでEDタイアップの麻倉ももさんは以前タイアップだった「荒乙」といい作品内容にちょっと偏りが見られるのだけれど、本人のイメージに影響は無いのだろうか。

かげきしょうじょ!!

『ブルリフ』と並んで今期のツートップです。宝塚歌劇団をモチーフとした、役者の卵たちの物語ですね。自分はミュージカル自体はあまり好かないのですが、声優オタクを通して役者論的なものには興味があるので中々に刺さりました。

特に節々で挟まる挫折を経験する回は、そこからの復帰も含めて大変に魅力的でした。挫折ってのは要するに集団内における自己のアイデンティティを失うことと同義ですが、周囲から贈られる言葉の持つ説得力がすごくて、思わず自分も心を動かされてしまいました。当事者で無ければ自分を重ねているわけでもないのに。

EDも特徴的でしたね。メロディは変えずに、歌唱メンバーごとに合わせられた歌詞があるというのは面白いです。声優さん自身は見知った名前が多いのに、普段と異なる印象の歌声だったのも衝撃でした。こういった作りの楽曲はもっと増えてほしいですね。

現実主義勇者の王国再建記

何の因果か、今期のトリを飾る作品になりました(厳密にはOVA放送の『メイドラ』がありますが)。

いつもの異世界転生、というかコレは召喚ですね。そこから最強の人間として暴れ回る……のではなく、王として内政を執り行うお話です。最近のタイトルとかで「内政無双」って聞くけどアレってどういう概念なんですかね。

それはともかく、相変わらずこういう作品に付きものの妙な演出が目につきました。変に回り込む無意味なカメラワークとか、聞いてもないしタイミング的に必要かどうかも分からない世界観設定解説アバン、カット切替のタイミングでスパッと入ってくるせいで本編ぶつ切りに見えてしまうEDと、「味」の濃い作品でした。

そして何と言っても自分はこの作品に推しを人質に取られているので、それなりにちゃんと見よう! と向き合う姿勢だったのも、俯瞰して見るとアホなんじゃないかと思いますね。『かげき』から本作の流れはまさに実況民の性とも言うべきお口直しでした。しかもこっちだけ分割2クールっていう綺麗なオチまで。