Saltの思うこと

思ったことを書いていけたらいいなあ

2023秋アニメ感想

見てたアニメの9割が最終回でも通常OP編成ですごいと思った(小並感)。もちろんOPカットやEDがOPのパターンも大好きなんですが、OPをしっかり流す余裕があると尺管理バッチリですよって感じがしていいですよね。

というわけで今期の感想です。20作見てました。

星屑テレパス

今期大本命というかきらら民としての大一番でしたが、少なくとも作品自体は期待されたものをしっかりお出しできていたと思う! たぶん今期でも上位に入る作画安定度を始め、声優陣も「こんなに合うんだ」と内心評価を改めるぐらいハマってて、流石の気合いの入りっぷりだった。……が! それだけでは上手くいかないのがアニメ業界の常。というかもはや昨今は有名原作に有名アーティストを起用して、いい感じの時間(23〜0時)に放送してあとはネット民がバズらせてくれるの待ちみたいな世の中なので、それはどうしてもできなかったし、あえて言うなら「きらら」という部分は長所であり短所でもあった。『ぼざろ』ですら、あれほど火が付いたのは中盤ぐらいからですし。

こうして改めてアニメで振り返ってみると、構成が『ハナヤマタ』に結構似てるな〜って思ったんですよ。キャラの立ち位置や挫折から再起に至るまでの経緯など、ざっくりとした見方なら似通った部分は多かった。逆に考えると、令和のきららは昔ならフォワードでやってたような内容を4コマ誌でやるようになったわけで、いつまでも脳内アップデートを遅延させているネット民に対して「採れたての新作きららです」と言ってこれをお出ししてもそりゃ良い反応は返ってこないよな〜と。こればっかりは仕方ないが。

あとはもう、配信媒体だよね……。尻上がりに面白くなる作品だからこそ後から追いかけられるような状態を整えておくべきなんだけど、残念ながら懲役刑になってしまい。あれもこれも、果たして既存客以外へのアピールにはなったのだろうか。

改めて書いておくけど、作品自体はめちゃくちゃ気合入っててすごい良かったので! でもこういう感想記事を見てもらえても、実際に知るための場所があまりに限られているのは勿体無いなぁという話でした。FOD、はいろう!

SHY

作者が古のミリPだそうで、偶然とはあるものですね。それはそれとして、ここ最近の秋田書店タイトルはどれも強い。全体の勢い的には小学館を抜いてるんじゃないか。

監督が『ハクメイとミコチ』の方で、特徴的なコマ割り演出も織り交ぜつつ、登場人物一人ひとりが個性立っている丁寧な作品でした。若干展開が間延びしがちかな〜と思わなくもなかったけど、溜めからの解放はやっぱりカタルシスもあるし。主人公サイドの人が一癖ありつついい人で固められてるのも視聴感として安心できました。最近の自分、悪人だけが悪人として描かれてほしいという思想なので……(?)

主題歌もちょっと前時代的なアニソンらしさがあって良かった。近頃の大型タイトルは世間的知名度も高いアーティストとのタイアップばかりで、そりゃ良い曲に決まってんじゃんってなりがちなので、こういう空気を残してくれるのは助かる。

分割なのかな? 2クール目も決定ということで、隠れた名作扱いにならずしっかり日の目を見てほしいばかり。

とあるおっさんのVRMMO活動記

ま〜〜〜今期の推し出演アニメという不純な動機で見てたのですが、良作で固められたゲツヨルの中では流石に数ランク落ちてしまう。

普通にゲームプレイをしたいという主人公のスタイルと、色々ハプニングを起こさないとつまらないという作者のジレンマがこういうシナリオの肝になると思うんですが、舞台がMMORPGということで、そのハプニングの結果が特定ユーザーの優遇ないし吊し上げみたいな状態になってるのが、いちゲーマーとしてはどうしても気になってしまう。自分はネトゲとか全くやらずに生きてきたのだけど、例えばランクマ1位の名前をゲーム内やHP上で掲載こそすれど、そこから独自イベントに突入させるようなことするか? という。

単純な画面作りとかCM周りに関しては一周回ってネタになるからいいとして、そんなノれない話をずっと見ているのもなぁ〜〜〜という気持ちでした。一方でそれこそ普通のエンジョイ勢なギルドメンバーや謎のロールプレイを楽しんでいるゴレンジャーは面白かったので、やっぱ妖精国編がそんなに……(以下略)。

ミギとダリ

シュールギャグかと思ったらまさかの超本格サスペンスだった。そのせいで不意に差し込まれる謎のワードセンスが妙に印象に残って結局笑わされる。完全に術中にハマってますね。

最終盤の種明かしに至るまでの描写全てが繋がっていたのは本当に凄まじい構成力というほか無い。今どき1クールでこんなに完成度高く話を終わらせることできるんだ……と感動さえしてしまった。なんならエピローグをやる余裕もあるし。

そういえば、後述の『ラグナ』もそうだったんですが、今期は村瀬歩氏の活躍ぶりが凄まじかった。中性的なキャラというだけでも結構幅があるのに、その全てを見事に演じ分けてて、とりわけ本作はそれが色濃く出ていたと思います。声優の唯一無二性ってのはこういうところに表れるんでしょうね。

聖女の魔力は万能です(第2期)

少し間を空けての2期アニメにありがちな「あ〜いたいたこういうキャラ」現象に見事にハマったりするなど。1期と比べて既にセイの立場が落ち着いてるぶん親睦を深める方向にシフトしたので、全体としての起伏は小さめだったかな?

展開としてはわりと王道な少女漫画というかロマンスになっていったのでこれといって言うことも無く……。1期の時も書いた気がするけど、登場人物に悪意を持った人物がいないので、平和な一方で地味になりがちなのは如何ともし難いですね。あんまりバトルバトルする作品でもないので仕方ないですが。最後はちゃんとくっついたので良しとする。

私の推しは悪役令嬢。

『わたゆり』だったり『わたおし』だったり、妙にここ最近の百合姫原作アニメと縁が無くてBS放送に回ってしまう。なのでこの位置。全体的にキャラデザに懐かしさを感じるな〜と思って製作の過去作を見てみたらなんか納得いった。クオリティが高いと胸を張れるほどでは無いんだけど、低いわけでもないという絶妙なラインですよね、この辺。

「推し」という概念が浸透して長くなりますが、なんというかゲーム内のいちサブキャラに病的なまでの愛情を注ぐ人けっこういますよね。供給に飢えてるタイプの。『リーゼロッテ』もそんな感じだったと記憶していますが、そういうタイプの人がゲーム内の主人公になってしまい、クレア様をあの手この手で気味悪がらせる序盤が楽しかったです。そりゃ疲れるわな。想定してない展開だし。

中盤以降は関係性をギクシャクさせつつも、積み重ねありきの着地点になって良かった。この先で成就してしまったら終わりなんだけど、なんか原作見る感じそうでも無さそうなんだよな。個人的には物語ってのはカップル成立まででいいと思ってるので、この先は気になりつつ蛇足になってないか不安もありつつ。いや別に続編とか決まってない状態なのでそこはどうでもいいのだけれど。

あとは、OPEDがザ・アニソンって感じで好きでした。レイジョアハンズ!!

魔法使いの嫁 SEASON2(2クール目)

今までが気合入れて見てたかと言われると必ずしも頷けないんだけど、今シーズンは特に面白かった気がする。8割ぐらいフィロメラを救済する話だったわけだけど、『SHY』と同じような溜めに溜めてのカタルシスが素晴らしかった。

それにしても、学園の人たちはこの2期からの登場なのにすっかり馴染んだな。期間にして半年見てるわけだからそれはそうなんだけど、1期と比べるとずいぶん画面が賑やかになって不思議な気分。まあ1期そこまでハッキリ覚えてはいないんですが! ただ、チセと同年代で笑い合える人がたくさんできてよかったねと、謎目線。

第3シーズンも決定ということでいよいよ終わらないコンテンツになってきた。こうなると10年選手も見えてくるか? 後は……22時からにしては結構ヘビーな内容なので、もうちっと遅めにしてくれないかな……。

Dr.STONE NEW WORLD(2クール目)

宝島編長かったな〜〜〜。見た目ヒョロガリで噛ませっぽそうなイバラがめちゃくちゃ執念深いというか生への執着が激しくて、これまでで最大レベルの敵なのすごかった。と同時に、清々しいほどの悪役でいてくれて安心した。悪人は悪人でいてほしいので(2回目)。

ソユーズくんもほぼポッと出みたいな登場だったのにきっちり活躍して、キャラの立たせ方が相変わらず丁寧ですね。普段は千空や龍水など現代組にフォーカスが向きがちだけど、クロムや銀狼なども見せ場があってよかった。

で、いよいよ最後の目標、月! ……月!? 宿敵であった司でさえも味方に引き入れ、今度は世界制覇の旅へ。最終シーズンへ突入らしいですが、どうも原作の巻数的には折り返しをちょっと過ぎた辺りらしく、ここからどんなテンポで話が進むんだ……と戦々恐々としています。

葬送のフリーレン

12月放送ぶんまで。これまで数多の良作タイトルを輩出しつつも「放送時間」ただこの一点だけで日の目を見ることが少なかった日テレアニメがそこに気を遣ったらどうなるか? という壮大な社会実験の結果がこちらです。元々マンガ大賞受賞作だし中身については折り紙つきなんですが、マンガ大賞なんて気にしてるのはマンガ読んでる人だけなので、そうではない層にリーチするには? 答えは金曜ロードショーにする、でした。反則じゃん。

「勇者が魔王を倒したその後の世界」という古き良きRPGプレイヤーなら誰もが一度は考えるシナリオを実際にやってみた、という話です。危機的状況に陥ることも少なくないけど、多くは人情だったりシュールコメディだったりで、全体的にしっとりした展開。力の入れ方と抜き方を完全に制御し切っていて、常時フルスロットルな作品より余程見やすかった気がします。何より金ローの後枠という見やすく、かつ寝る前に見るのにちょうどいい時間帯で作風にもマッチしていたので、制作側の思惑に見事に嵌められていたような。

2クール継続ですが、あんまり激しい展開にはならずにこの独特の空気感を最後まで貫いてほしいな。これだけ話題になれば放送局側が続編制作に乗り気になってくれるはずなので……。

終末のワルキューレⅡ(後半)

後半と銘打ってこそいるものの、だいぶ特殊な話数編成で他より遅く始まり早く終わるというなかなかに都合の良い放送をしていました。

バトル自体は熱いだけにテンポの悪さというか引き延ばし感が残念な本作ですが、じゃあ半クール程度に押し込んだらどうなるのよ? という釈迦戦。結果から言うと別にそんな変わったわけでもなかった。前半のジャック戦が結構良かったから尚の事。七福神やら零福やら波旬やら、デスピサロがごとくの形態変化のおかげで状況を二転三転させつつも長引かせてる感は少なかった気はする。どっちが勝つかメタ読みも難しいのでそこは楽しいんだけども。

続き自体はやりたそうだしこの先も全然ストックあるっぽいけど、やるんだろうか。なんだかんだダラダラしながらでも見れるから視聴継続の意欲はあるんだよな。

アンデッドアンラック

12月放送ぶんまで。導入の感じからコメディチックなバトルものかと思ったら、思った以上に重ためな世界観でびっくりした。話の進行に伴って徐々に設定が開示されていくのは風子やアンディの視点とも一致していて良いですね。こういうのってドッと一度に情報を出しがちだから、すごいバランス感覚だと思う。

それに「否定者」を始めとした色んな要素に言葉遊びが混ざっていて、常にヒントを与えつつ考察の余地があるというのも能力バトルとしては新感覚。同じジャンプ作品でもスタンドとか悪魔の実とか、良くも悪くも制限が無い以上インフレや複雑化が激しいので、「否定」という枠内に収めたのは面白いし分かりやすい。普通レッド・ホット・チリ・ペッパーが電気の能力ですとか言われても「は?」ですからね。

初めから2クールなのでこれといった区切りは無く来年へと引き継ぎ。個人的に今期の金曜は週刊少年ジャンプ・サンデー・マガジンの3誌タイトルが揃っててそういう意味でも楽しかったので、来期も何とかなりませんか?

カノジョも彼女(第2期)

本作最大の不幸は放送時間が深すぎることでもなく、前枠が『はめつのおうこく』だったことでもなく、同期に『100カノ』がいた、それだけ。ただ明らかに何らかのリミッターが解除されて好き放題しまくっている当該作と比べると、こちらは変に理知的というか、理性を持って理屈をこねくり回しているのでその方面での面白おかしさがある。いやだからといって実質4人もダメだろう。

2期では主に紫乃とミリカの2人にクローズアップしていましたが、まあどっちも傍若無人っぷりがよく知れたというか。前述した妙に頭が回る上でおかしい行為をするのに、これだけマッチした人材もなかなか珍しいだろうという感想。お陰でミリカの株は下がり続けましたが……。

今期見てた中では、特に途中の作画の息切れが激しかったと思います。作画至上主義ではないけど、絶妙に不安になる程度の息切れだったのが余計に目につくんだよね。いや崩れるなら派手に崩れてほしいってわけじゃあないけど。紫乃が本格的にヒロインレース参戦した今、続きをやるならそこをもう少し改善してほしいなぁ。

ひきこまり吸血姫の悶々

アニメ化前から個人的に興味があったタイトルでした。中身自体はアニメが初見ですが。これジャンル的になんて言うんだろう。必ずしも俺TUEEEではないよな。もうちょい「キリトかなーやっぱりw」構文っぽさを感じるというか……。

なんか開幕から嫌味っぽい説明になりましたが、順当にラノベラノベしている感じでしたね。個人的に美少女動物園はまだ良いとして、周辺人物にたま〜に世界観にそぐわない人がいたのがどうしても気になって……。あとは設定上必然とはいえ、命の安さも気になった。ギャグを挟まないと死んじゃう病なせいで、じゃれあいと戦争の境界線が曖昧というか。みんなが言う『FEif』への不満ってこういうとこだったんだな……と8年越しに理解した。

どうでもいいけどこういう作品って、武人のおっさんだけは絶対に武人のおっさんとして求められている役割を全うしてくれるからすごいよな。どうしても主人公一行が軽いノリになりがちだから全体を引き締める立ち位置として出てくるんだろうけど。

SPY×FAMILY(第2期)

1期の時からなんだけど、これどこにファミリー層ウケする要素あるんだろうな……面白いこと自体は否定しないけど、いわゆるファミリー向けアニメって結構特殊なつくりだと思うので。で、すっかりそんな日常ドタバタコメディ化していたところに突き刺すような豪華客船編。思った以上の長編でしたが、それだけの面白さはあったと思う。ヨルさんがどうしても超人ギャグをかます役割になりがちなので、たびたびこういう見せ場が欲しいですね。

長編で尺を使ったぶん濃ゆいサブキャラたちは出番控えめでしたが、それでもダミアンやユーリといった面々はしっかり爪痕を残してました。というかダミアンの野外学習、今期だったか……なんかすごい昔に感じるな。

劇場版も色々評判みたいで観るかどうか迷ってるのですが、今後も続けるつもりならダラダラやるのではなく1クールに1回はスパッと話を進めるタイミングが欲しいところ。

ティアムーン帝国物語〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜

『陰実』と並ぶ、主人公の保身から生まれた行動を周囲が都合良く解釈してくれる勘違い系コメディ。こちらはギロチンENDを回避するために自分に関係する様々な人に付け入るというなんとも性格の悪い人生やり直しタイプ。

といっても姫自身にはずいぶん可愛げがあるのと、時々入るちびまる子ちゃん的ナレーションも相まって、キャラの多さも気にならないワイワイした感じで最後まで楽しめました。こういうツッコミどころが多い作品は実況もしやすいから助かる。

確か原作は結構長かったはずだしストック残ってないのかな。こういうタイプは続編が作られると多少予算が増えて画面がリッチになるからそうなってほしい。……今期、作品に合ってるから文句が無いだけで、より高品質を目指せるものは結構あるんだよな。

ラグナクリムゾン

今期の思わぬ掘り出し物。序盤こそやや野暮ったい話が続くけど、クリムゾンが正体を明かして本格的に翼の血族との戦いが始まってからガンガン面白くなる。スクエニのバトル漫画にハズレ無し! と言いたくなるような盛り上がりっぷりで、今期特に夢中になって楽しんでいた気がします。なにせいきなりラスボス級をボコボコにしちまうんだからな。

後半からは新章に入って銀装兵団との合流になりますが、これもまた絶妙な塩梅でシナリオ進行とギャグを絡めててすごかったな。これは批判でもなんでもないただの事実を述べるのですが、こういう作風のギャグって変に他作品パロディに走ったりして大滑りしてることがザラなので、そうならずちゃんとギャグがギャグとして面白いってすごいことだと思います。本当に。

ありがたいことに連続2クール。まあ原作が現在進行形な以上おれたたENDは今から覚悟しておくけど、それまでどれほど楽しませてくれるだろうか。

君のことが大大大大大好きな100人の彼女

今期一番狂ったアニメだった。自身が狂っていることを自覚した上で、その狂い方を常に暴走させながら勢い任せでシナリオ進行していく凄まじいパワー系タイトル。

たびたび挟まるメタ発言等も含めて「でもこの作品ならそうなるだろうな」というある種の説得力を持たせられているというのはそれはそれでスゴい。彼女の母親と運命的な出会いをした時はさすがにイカレすぎだろと思ったけども!

これだけ好き放題しながら、画面がその狂気に呑まれるどころかむしろ助長するぐらい暴れ回っていたのも相乗効果がありましたね。実は安定度で言えば今期一なのではないだろうか。制作のバイブリーってどうしても今まであと一歩足りない! みたいなのが多かったので、ここに来て本領発揮できたというか。第2期も決ま(っちゃ)ったので、せっかくなら本当に100人揃えるまで末長く続けてほしい。

範馬刃牙(2クール目)

通称「野人戦争編」が終わるまでを対象。なんかもう色々な意味でド安定な本作ですが、今回で頭のおかしさに拍車がかかり始めたなという印象。

ピクルを倒すためにあの手この手を尽くして名だたる人物たちが戦うわけですが、相手が文字通りの野生児ということもあってか、過去シリーズよりも生々しい……言い換えればグロ描写が多め。烈の脚が喰われる程度は序の口で、克己の捨て身の一撃で肉が剥がれ骨が露わになったり、ジャックは口周辺の皮を食いちぎられたり。現実的にあり得ないと言えど、見てるだけで痛々しいのでそこに関しては人を選ぶかも。いや刃牙見てる時点でそんな耐性ある人ばかりでしょうが。

一方でトンチキっぷりも加速しており、かのトリケラトプス拳だとか完全に味を占めている烈の事後インタビューだとか、もう狙ってやってるだろう的な描写でつい笑わされたり。なんか全編通して烈海王が本当に存在感すごいな。こんなにシーンというシーンに出張ってくるキャラ早々いないだろ。

次からはいよいよ勇次郎との直接対決らしいので、楽しみに待ってます。

オーバーテイク

TROYCAアニメ久々に見たかもな……と思ったら1年前の『忍の一時』もそうだった。今回はモータースポーツ、F4をテーマにした選手の少年とフォトグラファー2人の物語。

モータースポーツで馴染み深いのはまあF1だと思うんですが、個人的には深夜帯にどこかのレースが放送されてたなあぐらいの記憶で、どっちかというとF-ZEROとかいうふざけた設定のモータースポーツ(スポーツなのか? あれ)の印象が強いですね。

音響やカメラワークは流石というか、かなり本格的なつくり。わずかなカメラの手ぶれや追跡のブラーまで含めて非常に臨場感があります。現実だと走行中にBGMはかからないわけだけど、単純ながら強いドラマ性を与えるには十分すぎるほどの演出でしたね。やはり音は大事だ。

フォトグラファーもとい考哉の物語は、12年前の震災をきっかけとするトラウマを巡るシナリオ。こっちもこっちで真に迫る重苦しさがあって好みなのだけど、メインであるF4と直接的に絡み合うわけでは無かったのがちょっと残念だったかな。といっても人間一人の人生なんていくつもの要素が複雑に関わり合うことはまずあり得ないので、完全に独立した話になっているのはそれはそれで説得力ありますが。

群像劇と呼べるほど個人に焦点を当てているわけではないけど、かと言って明確に主役が決まっているわけでもない、不思議な視聴感がありました。そのまま見ても分かりやすくて面白い部類なんだけど、ちゃんとした解説とか入ったらより深みが増しそうだと思う。

アイドルマスター ミリオンライブ!

本作の良さに関してはもう先行上映時に記事にしてるし、Twitterでもテレビ放送を週4回実況するぐらいずっと発信してるので、もはやここで語るまでも無いだろうとは思うのですが。

終わった感想としては、ちゃんと世間的にもウケててよかったという気持ちです。あんまり視点が偏るのも良くないだろう……という意味も込めて、母(自分が上田麗奈ファンであることとアイマスPであることは知ってる)にも視聴してもらっていたのですが、静香や茜、紬(ぐるぐるちゃんと呼んでた)にチュパカブラなどしっかり気に入った子が出来たみたいで、初見でもこうなれるのだと安心しました。

これはアニメという媒体に限った話ではなく全ての創作物に共通する鉄則なんですが、意味の無い描写って無いんですよ。画面に映ったからには何らかの意図がある。その意図の裏付けが、ことミリアニに関しては10年間の積み重ねにあり、しかもその多くがユーザー間のふわっとした共通認識ではなくしっかりとした元ネタがあるっていうのは、ひとえに制作陣の愛の成せる技だと思います。それを概ね拾える視聴者側もどうかしてるけどね。「ぶどーかん」と「葡萄缶」なんてただのダジャレかと思ったらちゃんとミリオン内での発言に基づいてるんだから。

「バトンを繋ぐ」ことをテーマにした本作ですが、本作そのものも10年間のバトンの終着点ではなく、「夢は叶えた瞬間にそこから次の公演が始まる」と歌っているように、また新しい未来に繋ぐための架け橋になっていてほしい。

おまけ:Tier表
  • S(さいこう)

ミギとダリ、葬送のフリーレン、アイドルマスターミリオンライブ!

  • A(すばらしい)

星屑テレパス、SHY、Dr.STONE、アンデッドアンラック、SPY×FAMILY、ラグナクリムゾン、君のことが大大大大大好きな100人の彼女、範馬刃牙

  • B(すごくいい)

私の推しは悪役令嬢。、魔法使いの嫁、ひきこまり吸血姫の悶々、ティアムーン帝国物語、オーバーテイク

  • C(まあまあ)

とあるおっさんのVRMMO活動記、聖女の魔力は万能です、終末のワルキューレⅡ、カノジョも彼女